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太田宏・長倉顕太「奇跡の記憶術」

はじめに

出口汪と著名人の対談・真剣勝負、第五弾はフォレスト出版代表の太田宏氏、取締役編集部長の長倉顕太氏との対話です。
奇跡の記憶術を題材にした対話を公開していきます。

この対談は2011年3月22日に行われたものです。

奇跡の記憶術

脳科学との出会い

出口先生、セレゴ・ジャパンと出会ったきっかけについて教えてください。

太田

太田

出口

出口

彼らは当時、渋谷でザ・プリンストン・レビュー日本校を経営していました。ザ・プリンストン・レビューは世界中に学校を持っていて、ハーバード等、世界のトップ10に入る大学の90%ぐらいの生徒を輩出するぐらい、うまくいっている試験対策校です。

当時、彼らは画期的な記憶システムを開発し、その特許を取得していました(詳細は『奇跡の記憶術』にて)。しかし、アメリカ人だから日本のマーケットを持っていないし、どう売っていいかも分からないので、何とか日本の教育分野の人を介してビジネスをしようと思っていたわけです。そこで、紹介されて僕のところへ来たのです。

なるほど。

太田

太田

出口

出口

2人との話の中では、受験という枠組の中で、彼らが開発した新しい記憶装置を何とか活用できないかという提案がありました。当時彼らが作ったのは、携帯情報端末(PDA)、つまりポケットパソコンのような機械にソフトを入れて学習するシステムでした。脳科学の話などをベースに、様々な説明を受けるうちに、「おそらくこれは本物だろう」と思いましたが、一応僕は、「自分で試してみないと本当に良いかどうか分からない」と、まず答えたのです。

そこで、ある有名な英語の先生に頼んで、受験に必要で、かつ難しくてなかなか覚えられない英単語800語ほどを、例文付きでピックアップしてもらったのです。

当時、僕はSPSという、東大や早慶上智を狙っている優秀な子たちが集まる予備校を持っていました。その生徒たちを相手に、ピックアップした英単語をざっとテストしてみたのですが、ほとんど解けませんでした。そこで実験として、その解けなかった単語をセレゴに回し、「これでコンテンツを作ってくれ」とお願いしたのです。そして完成したソフトを、20名の生徒をモニターにして、3カ月でどれくらい覚えられるか一斉にやらせてみました。

すると、ちょっとした空き時間にやらせただけなのに、生徒たちは単語の97.8%を覚えてしまったんですよ。

すごいですね。

太田

太田

出口

出口

ええ、しかも例文も発音も一緒に頭に入っているんです。これはもうノーベル賞級の発明じゃないかと思いましたね。このシステムなら、記憶全般にわたり、英単語だけではなく何にでも応用できるのではないかと。本当にとんでもないものができたと思って、思わずセレゴ・ジャパンの株を買って投資しました(笑)。

それは何年前のことでしょうか。

太田

太田

出口

出口

もう8年ぐらい前になるのかな……。

ところが、そのシステム導入は失敗に終わったのです。いざ翌年、本格的にそのコンテンツを800名ぐらいの生徒全員にやらせてみたところ、ソフトではなく、PDAの不具合が頻発してしまったからです。

セレゴはおそらく、学習ツールがパソコンからPDAという小型機器に変わるだろうと先を読んだのでしょう……。今から思うと、彼らの時代感覚は新し過ぎたのでしょうね。現在のiPhoneのはしりみたいなものですから。

でも、ソフトは素晴らしかったんですよね。

太田

太田

出口

出口

そう、ソフトは本当に素晴らしかったんですよ。

それにアンドリューとエリックは、人間的にも信用のおける好人物ですので、個人的な交流はその後も続いていました。そういうこれまでの経緯が、今回の『奇跡の記憶術』を出版した1つの理由ですね。

論理の追及の果てに

では、もう1つ質問させてください。

出口先生は、もちろんその当時すでにカリスマ講師でいらっしゃいましたが、なぜ彼らは、英語でも歴史でも物理でもなく、現代文の出口先生に協力を依頼したのでしょうか。それは、「論理エンジン」の開発者ということで先生が注目されていたからなのか、はたまた偶然の出会いなのか。

太田

太田

出口

出口

1つは偶然ですね。

彼らはアメリカ人ですし、記憶のことばかりずっと研究していましたから。 「論理エンジン」についても、僕と会った後で知ったと言っていました。たまたま僕とウマが合ったんでしょうね。

しかも僕はSPSという予備校を持っていたから、SPSを通して実験してもらったり、いろんな企業に紹介してもらいたい、という思惑がやはりあったと思いますよ。僕自身も、現代文を教えるだけではなく、予備校の経営者としての側面もありますから、現代文以外の教科にも関心はありましたし。

もう1つは、僕自身が“論理”をずっと追求してきた結果、物事を考えることと、記憶との関連性が何よりも重要だと感じていたことも理由に挙げられると思います。

彼らと出会う前から、僕はより効果的な記憶法について興味を持ち、生徒に対しても記憶の仕方について、10年以上前からずっと講義の中で教えていました。

ところが、記憶の仕方を講義できちんと説明して、「これは必要だから、ちゃんと覚えなさい」と指導しても、生徒は黙々とノートをとるだけで、ほとんど効果が出ないということを、僕自身痛感していたのです。

ああ、そのことは本にも書いてありますよね。

太田

太田

出口

出口

ノートにとったことにより、覚えた気になってしまって終わり。つまり、自分で自分の記憶を管理できていないのです。東大に合格するような、かなり優秀な生徒であっても、記憶に関しては全く自己管理できていない。

だから自分が何を覚えるべきか、何を覚えたのか、何を覚えていないのか、何を忘れかけているのか、ということに関してまったく無頓着。それは、あまりにも非効率的なんですよ。そんな時にセレゴの理論に出会って、記憶の管理の仕方を知ったわけです。

50歳でも使える「奇跡の記憶術」

その理論の中に、記憶の段階として、「ファミリアfamiliar」「リコグニションrecognition」「リコールrecall」「オートマティックautomatic」があるわけですよね。

太田

太田

出口

出口

はい。

images最終的な記憶法としてはメタ記憶なわけですけれども、今回お書きになられた方法論は、受験生などの若い頭脳ならば活用できると思うんですけど、40代、50代くらいの人でも大丈夫なのでしょうか?

というのは、エビングハウスの忘却曲線では、1回記憶したもののうち、20分後には42%を忘却するとありますが、これは要するに残りの58%は覚えているということですよね。

私のことを申して恐縮なのですが、私にはこれは無理なんですよ。英単語を20分後にそんなに覚えていられない。つまり、記憶に年齢は関係ないのか、ということを知りたいのです。

太田

太田

出口

出口

記憶力は、やはり年齢とともに衰えてきます。僕も本当にものを覚えにくくなってきましたね。

ものを覚えにくくなるということは、要するに記憶しにくくなるとともに、忘れやすくなるということですよね。

太田

太田

出口

出口

imagesおっしゃる通りです。実は、忘却曲線には1つ大きな落とし穴があるのです。 忘却曲線を生み出した実験というのは、本の中でも書いてあるように、全く無関係の音を記憶する、というものだったんですよ。つまり、何の意味もないものを記憶すると、1日後には74%忘れてしまう、ということの実験データなのです。

そして、今出ているほとんどの記憶術の本は、この実験から導き出された忘却曲線を基にしている。

実は、この忘却曲線は変えられるのです。

「論理」を使う、ということですよね。

太田

太田

出口

出口

imagesそうです。一旦理解して整理するとか、因果関係を意識するといった「論理」を入れることによって、その後の忘却の度合いがまったく変わってくるんですよ。

若い時だったらガムシャラな記憶ができても、年をとるに従ってやはり脳の力は衰えていくので、その分、より理解し整理することが大切になってくる。まさに加齢で衰える脳の力を補うために必要なのが、論理力なのです。

また、30歳以上の大人に、僕がぜひ知っておいてほしいと思うのは、数多くの大事なことを、実は今までに既に学習してきた、ということなのです。かつて記憶したのに、それをいつの間にか忘れてしまっているだけなのです。そのことを無視して、一からまた記憶する勉強法で学ぶのは非常に効率が悪い。

imagesせっかく長年にわたっていろんな勉強をし、多くのことを記憶してきたならば、そこに立ち戻って、自分が覚えていたのに今忘れてしまったものをすくい上げることから再スタートする工夫をすれば、若い人にも十分対抗できます。これぞメタ記憶なのです。

おそらく、歳を重ねれば重ねるほど、知っているはずだったのに忘れてしまったことがたくさんあることでしょう。そこを大切にして再スタートする、これが先ほどの太田社長のご質問へのお答えになるかと思います。

images英単語なんか特にそういうことがありますよね。

今、社会で話題になっているのが、社内公用語を英語にしようという動きですよね。楽天さんもそうだし、三井住友銀行さんがTOEICで800点以上取るのが最低ラインというようなことを新聞に発表していた。今年の新入社員には、入行前までに800点取ってきなさいと、半ば至上命題のようになっているわけです。

だってもう2月の末ですよ。となると、暗記しなければいけないでしょう。TOEICは解き方も重要ですけれど、やっぱり記憶も重要ですから。そうすると、記憶の仕方そのものが非常に重要になってくる。

太田

太田

出口

出口

そうですよね。多忙な中、限られた時間で記憶するのであれば、やはり記憶の仕方を、もう一度見直してみることをお勧めします。それこそ、本当に限られた時間で効果を上げなければならないエリートサラリーマンたちにこそ、メタ記憶が必要だと思いますね。

今回のこの出版が、自分の記憶についてもう一度考え直すきっかけになってもらえれば、それだけでも僕はこの本を書いた価値があると思います。

私なんか思い出したくない記憶ってのが、実はたくさんありましてね(笑)。

思い出したい記憶、必要な記憶だけ思い出して……。

太田

太田

出口

出口

そうですね、それも含めて管理しましょう(笑)。

フォレスト出版について

フォレスト出版、その飛躍のきっかけ

出口

出口

では、今度は僕から質問してもいいですか?

はい、どうぞ。

太田

太田

出口

出口

フォレスト出版は、ベストセラーを次々に出して、いま最も注目されている出版社ですよね。

ありがとうございます。

太田

太田

出口

出口

最初に大ベストセラーが生まれたのは、いつぐらいの、どの本からなのですか?

そうですね、やっぱり『あなたの会社が90日で儲かる!』でしょうね。神田昌典さんが1999年12月に出した本なのですが、その当時、神田さんはまだ無名だったのです。

太田

太田

出口

出口

それって、すごいことですよね。有名作家の本を出せば売れるのは当然なのですけれど、無名の人の本をベストセラーにしていくわけですからね。

その神田昌典先生との出会いのきっかけは、どのようなところからだったのですか?

images飲み会の時、私が友人に「誰か面白い人いないか?」と聞いたら、「変わったビジネスコンサルタントがいるよ」と、紹介されたことがきっかけです。

彼には変わった点が2つありまして、まず1つは、コンサル料が異様に安いということ。1年間10万円。しかも返金保証付き。顧客にDMを出して反応率がこれまでの200%に達しなかったらばコンサルティング料は返金します、という風変わりなことをしているのです。

あともう1つ。実は彼は、うちが初めてではなく、1冊目はダイヤモンド社から出していたのです。『小予算で優良顧客をつかむ方法』という古めかしいタイトルの本の、著者プロフィールの下に、「24時間応答電話 ここにお電話してください」と、書いてあるのです。

「24時間応答電話」、今から11年前の話なのですけれど、すごいシステムを考えるなあと思いまして。

太田

太田

出口

出口

すごい発想ですね。

だから、すぐ電話したんですよ。そうしたら留守電だったんです(笑)

太田

太田

出口

出口

なるほど、「24時間応答」ですね。

images24時間ですよね。ここら辺のペテンが利いているじゃないですか。これは面白い人だと思って。で、全然売れてなかったのを幸いに、早速京王プラザでお会いをして。

本当に変わっていたんですよ。ウォートン・スクール出身だと聞いていたから、きっと紺のストライプのスーツに真赤なネクタイをして、当時はこれにサスペンダーを着けていると、ちょうどウォール街のファンドマネジャーみたいになるのですが、私はそういう人を想像していたのです。そしたらリュックサック背負ったお兄ちゃんがやってきた。それが神田さんだったのです。

話がすごく面白かったのを今でも覚えていますね。

太田

太田

出口

出口

本を出した時、「これは売れる」という予感はありましたか?

全然。

太田

太田

出口

出口

全然無かったのですか?

全然ですよ。ただ、時代が求めていましたね。1999年ですからね。

当時の日本の状況は、89年末に、大納会で株式バブルがはじけて以来、「失われた10年」と呼ばれている、まさにそんな時代でしたからね。

太田

太田

出口

出口

まさに99年ですね。

imagesそこでようやく、「良い物を作れば売れる」という時代から、「良い物を作るだけではダメだ、どうすれば売れるのかを自ら考えないと売れない時代なのだ」ということが、全面的に世の中で語られるようになった。だから社会があの本を受け入れたのだと思うのです。早過ぎたら、多分売れなかったと思いますね。

太田

太田

カリスマ編集長の素顔

出口

出口

その頃、長倉さんは、フォレスト出版にいらっしゃったのですか?

まだいない。多分、アメリカで博打を……。あ、ポーカーやってたよね。

太田

太田

あの時代のことは……。

長倉

長倉

出口

出口

フォレスト出版に入社される前は、アメリカに?

いや、ちょっと別のところにいまして。業界誌の記者みたいなことをやっていたのですが、本当にフォレスト出版に入ってからは変わりましたね、人生が

長倉

長倉

出口

出口

フォレスト出版には、どういう経緯で入社されたのですか?

いや、新聞の求人見て応募して、そうしたら拾ってもらえたっていう感じですね。その当時は、本当に何も知らなかったんです。

長倉

長倉

出口

出口

長倉さんの採用は、太田社長が直接決められたんですか?

確かそうでしたね。

太田

太田

出口

出口

入社された頃のイメージと今ではだいぶ違いますか?

基本、変わってないです。

太田

太田

出口

出口

じゃ、最初から今の長倉さんだったわけですか。

images目つきが良くなりましたよね(笑)。

長倉が最初に担当した本ができた時に、「お祝いだ」って言って、二人で六本木のクラブに飲みに行ったんです。忘れもしませんけれども、そこのクラブのお姉さんから「長倉さん、髪の毛濃いからもっと軽くしたほうがいいよ」って言われましてね、「どうしたら軽くなるんですか?」って彼が聞いたら、「染めちゃえばいいのよ」って言われたんだよね。で、彼が私に「染めていいっすか?」って言うから、「いいんじゃない」って言ったら、翌日染めてきたんだよな。

太田

太田

出口

出口

フォレスト出版の社員の皆さんを見ていると、確かに髪型や服装が非常に自由ですよね。これは太田社長のお考えなのですか?

いや、本当はみんな坊主にしたかったんですけれども(笑)、そうするとみんな辞めちゃうから、そこはこだわらないほうがいいかなあと。

毎日機嫌よく働ければ、それでいいんじゃないかと思っているんですよ、そこは。その他が全部厳しいですから。

太田

太田

出口

出口

自由な社風も、フォレストの良さの1つなのでしょうね。

ベストセラーを生み出す極意

出口

出口

ところで長倉さんは、カリスマ編集長としてこの業界では非常に有名で、出した本は次々ベストセラーになると言われていますよね。長倉さんが手掛けた本でベストセラーになった本のタイトルを教えてください。

いっぱいあるよね。

太田

太田

おかげさまで。……そうですね、「心のブレーキ」の外し方 (石井裕之 2006)』とか。

長倉

長倉

出口

出口

大ベストセラーですよね。

『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?(小堺桂悦郎 2006)』『会社にお金が残らない本当の理由 (岡本吏郎 2003)』。最近で言うと『怒らない技術 (嶋津良智 2010)』ですね。

長倉

長倉

出口

出口

すごいですね……。長倉さんが担当する出版計画は、やはり長倉さんなりに直感が働くというか、「これはいけるんじゃないか」と、感じるのですか?

著者の方に対して、ですか?

長倉

長倉

出口

出口

はい。

基本的にはそうですね。僕は、編集者の仕事って、実はほとんど無いと思っています。売れる著者は、特別なことをしなくても売れると思うんですよ。

その中で、売れるタイミング売れるコンテンツを乗せられるか、その著者が持っているその流れに乗れるか、それだけだと思っていますので。

「編集が良いから売れるんだ」みたいなことを言ってくださる方もいらっしゃいますけど、僕は全然そんなことは無いと思っています。

長倉

長倉

出口

出口

ということは、まず、売れる著者を探すということですか。

そうですね。売れる著者がいれば、誰が編集担当だろうと、それこそ勝手に売れると思っています。

長倉

長倉

出口

出口

でも、実際に僕もいろいろな出版社で本を出していますけれど、売れない本も結構ありますよ。同じ著者であっても、売れるものもあれば売れないものある。そのあたりの差はどこから来るのでしょう。

imagesいや、例えば出口先生だったら、あらゆる角度から見ても絶対売れるだろうな、と思いますので、売れなかったとしたら僕のミスだと、本当にそう思っています。

単純に、今のマーケットがあって出口さんという方がいて、それをどうマッチングさせるのか、というだけの話なので、もしそれが外れてしまったとしたら、やはり僕のミスですから。

長倉

長倉

出口

出口

その考え方はすごいですね。

いえ、すごくないですよ。著者のほうがすごいんです。

長倉

長倉

出口

出口

素晴らしいですね。

でも、編集の人間が100%そう思っているわけではないですから(笑)。

太田

太田

出口

出口

いやいやいや……。でも、著者の立場から言うと、そう言ってくださる編集者って本当にありがたいですよね。

だけど、売れない人は絶対に売れないんですよ。仮にどんなに編集者が優秀だという風なことがあったとしても。

長倉

長倉

出口

出口

その“売れる”、“売れない”については、何か直感が働くのでしょうか。

そうですね、運が良さそうな人は出すべきだと思いますね。

長倉

長倉

出口

出口

仮に、まだ無名の人から、長倉さんに本を出してほしいというオファーが来たとしたら、どういう所で判断するのでしょうか?

本当にやる気があるかどうかですね。

長倉

長倉

出口

出口

やる気があるかどうか……。

imagesはい、本当に。

あとは、携わっている分野で、それなりにトップクラスであることですね。出口先生も予備校講師としてトップクラスじゃないですか。やはり、やってきたことがトップクラスでないと。

先ほどの神田先生ではないですけど、すごく面白いとか、よほど他人と違ったことがあるとか、そういうものがあれば別ですけど。

長倉

長倉

出口

出口

なるほど、確かにそうですよね。やっぱり著者次第なのですね。

でもね、確かに著者次第ですけれども、一度売れた著者のその状態をどう維持していくかっていうのが大変なんですよ。

太田

太田

出口

出口

そうでしょうね。

images瞬間的に売れる人はたくさんいるのです。でも、長く売れるっていうのはものすごく厳しい。ちょっと売れてくると、大抵の人間はどうしても気が大きくなってしまって、いろんな所で本を出し過ぎたりしてしまう。

どこかの会社で売れると、何かそこから湧き上がってきたようにいろいろな会社の編集者が来て、「ひとつお願いします」という頼み方をするわけです。企画なんか無いんですよ。「ひとつお願いします」って言うだけです。

そして、頼まれた著者の方は「おう、じゃあ、企画あるから」って言ってしまうんです。確かに最初の頃は、どの著者もいくつか企画を持っていらっしゃいますから、それを出すことになるのですね。

ところが、その企画の中には当たる企画当たらない企画があるわけです。それなのに、全部の企画を出版してしまう。そうすると売れなくなる。

売れなくなってくるとどうなるかっていうと、蜘蛛の子散らしたように編集者は消えていくんですね。そして、結局、どこからもお話が掛からないということになってくるのです。

太田

太田

出口

出口

著者にとっては厳しい話ですね。

そうですね。だから、いろんな出版社から声が掛かったときは、その編集者がどういう編集者なのか、ということを見極めないといけない。

太田

太田

フォレスト出版の目指す道

出口

出口

images僕は、フォレスト出版に対して2つのイメージを持っていたのです。

先ほどお聞きした神田先生の話もそうですが、無名な方がフォレスト出版でベストセラー作家になるパターンは結構多いですよね。だから、人材を発掘するためのノウハウが、フォレストにはおそらくあるのだろうなと思っていました。

あと、太田社長がおっしゃったように、著者をすごく大事にするというか、1人の著者を、長くいろんな形でその才能を引っ張り出して、2冊目、3冊目というふうに、うまくバックアップしていらっしゃる。1冊出しておしまい、という出版社が多いですから。

ありがとうございます。そう言っていただけると大変嬉しいですね。

太田

太田

出口

出口

最後になりますが、太田社長は、今後フォレスト出版をどのような企業にしたいとお考えですか?

images神田さんの本がベストセラーになる前から同じ考え方だったのですけれども、本を出すだけだと絶対苦しくなるのです。今年ベストセラーが出ても、来年ベストセラーが出るという保証は何もありませんから。

ですから、本の出版と並行して、セミナーもさせていただいたり、学習教材を作らせていただいたり、という両方建てでやってきました。お金が詰まったら企画だって出てこないんですよ。「貧すれば鈍する」です。

そのようにやってきた結果、我々がやっていることは、業態として何なのかと考えると、必ずしも出版とは言い切れないなと。本も出す、セミナーもやる、何か学習教材も出すということは、我々は情報企業だな、とある時思ったわけです。

したがって、今後目指す方向性というご質問でしたが、「世界一の情報企業になりたい」というのが答えになります。

images出版、それからセミナー、コンサルティング、あとは学習教材、その他にもネットを使ってやれることなど、いろいろあると思うのです。そうしたことの全てができる情報企業になりたいと考えています。

情報企業になったら、プロデュースをしたり、ビジネスに限らない情報、例えばファッションの情報の発信もあり得るかもしれないし、ジャンルで言えば英語もあると思っています。

ただ、私が直接フォレストと関わっているのは、今後そう長くはないんですよ。いい加減、自由にいろいろなことをしたいですしね。それ以降は、長倉あたりがどうするのかは分かりませんけれども、突拍子もないことをやってほしいなと思っています。

太田

太田

出口

出口

今後フォレストが何をやっていくのか楽しみですね。突拍子もないものもが出てくるかもしれませんね。

そうあってほしいと思いますね。

太田

太田

出口

出口

長倉さん個人としては、今後どんな本を出したいと思っていらっしゃいますか?

imagesそうですね、仕事柄いろいろな方にお会いするのですが、まだ世の中に知られていないすごい方たちが、たくさんいらっしゃるのです。本を書いてくれない人もいっぱいいらっしゃいます。

だから、まずはその人たちから得た情報を、本ではない形で多くの人に伝えられればなと。

長倉

長倉

出口

出口

それは、今、社長がおっしゃった、世界一の情報企業ということにつながりますね。

そうです。本にしようと思うと、売れなければいけないということに傾いてしまって、うまくいかなくなる人もいるので。

長倉

長倉

出口

出口

確かに、すごいものを持っている人であっても、本という形で表現するのが苦手であるとか、合わない人もいますからね。

そうですね。だから、本という形にこだわらずに、様々なツールを使って多くの人にたくさんの情報を伝えていきたいと思います。

長倉

長倉

出口

出口

images太田社長、長倉編集長ともども、これからのフォレスト出版では、新しい形でたくさんの情報を発信していくことを考えていらっしゃるということで、すごく楽しみにしています。

今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

ありがとうございました。

太田

太田

ありがとうございました。

長倉

長倉

対談・真剣勝負